- 初めてフリーランスになるときに、会社員のうちからやっておくべきことはあるかな?
- フリーランスエンジニアとして独立するタイミングはいつがいいのだろう?
- 具体的にどのようなステップでフリーランスエンジニアになるのがいいだろう?
フリーランス人口が増えており、これからフリーランスエンジニアになることを検討されている方も多いかと思います。
そんな中で気になることのひとつは「いつ、どのような方法で、フリーランスエンジニアになるのか」です。
経験のない方にとっては当然気になることですが、会社で上司や同僚に聞くわけにもいきません。
そこで知識を身につけるために、本記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか?
正直、行き当たりばったりでもフリーランスエンジニアになることは可能です。
実際に僕がそうだったので。。
本記事は、フリーランスエンジニア歴約10年のフィクトが解説をしていきます。
稀なケースかと思いますが、僕は最初にいた会社で若干鬱になりかけて、逃げるようにフリーランスエンジニアになりました。
そのため、大した準備をせずにフリーランスになったのが正直なところです。
そのため、フリーランスエンジニアになってしばらくしてから、「最初のうちから、色々とやっておけばよかった…」と思うようなことがいくつかありました。
そうならないためにも、しっかりとしたステップでフリーランスエンジニアになるのがオススメです。
そこで本記事では以下の内容について解説するので、これからフリーランスエンジニアになる方の参考になれば嬉しいです。
- フリーランスエンジニアとはどんなものか?の基礎知識
- 未経験からフリーランスエンジニアになるのは現実的か?
- フリーランスになる前、会社員時代にやっておくべきこと
- 初めてフリーランスエンジニアになる際の具体的な方法
それでは、一つひとつ見ていきましょう。
フリーランスエンジニアとして独立するための基礎知識
最初に、フリーランスエンジニアとして独立するための基礎知識として、4つの側面から解説していきます。
フリーランスエンジニアの仕事内容
まずは、フリーランスエンジニアがどのような仕事を行うか?という点です。
詳しくは、以下の記事にて解説をしていますが、フリーランスエンジニアの仕事内容は多種多様です。
フリーランスエンジニアってどんな仕事内容なんだろう? 実際の案件はどのようなものがあるか、例を用いてわかりやすく解説してほしい。「フリーランスエンジニア」という言葉は広義な意味で使われますが、その仕事内容は非常[…]
基本的には、会社員でもフリーランスでも仕事内容に大きな違いはありません。
しかし、次に挙げる年収の面でフリーランスの場合は仕事内容により大きく左右されます。
フリーランスエンジニアの平均年収
年収を上げたくてフリーランスエンジニアになることを検討されている方も多いかと思います。
フリーランスエンジニアの年収は以下の記事にて解説している通りです。
フリーランスエンジニアの年収ってどれくらいだろう? 年収を上げる上で、どのようなことをやっていけば良いだろう?フリーランスエンジニアとして働くのであれば、気にすることのひとつとして年収があるかと思います。お[…]
フリコンにて扱っている442件の案件をベースに算出した相場ですが、フリーランスエンジニアの平均年収は約742万円です。
レンジは600~800万が最も多いですが、AWSを扱う職種など平均年収が800万円を超えるものもあります。
なので、あなたの仕事内容がどれくらいの年収になりえるのか、しっかり把握しておくことをオススメします。
※上記の年収はあくまでフリーランス向けのエージェントを利用した場合の相場です。
直接営業やクラウドソーシングを活用したフリーランスの場合の相場は含まれません。
フリーランスエンジニアに必要なスキル
上記で挙げた平均年収はあくまでも「相場」です。
あなたのスキルによって、どれくらいの年収になるかも、年収が安定するかも変わります。
具体的にフリーランスエンジニアとしてどんなスキルが必要なのかについては、以下の記事で解説をしています。
これからフリーランスエンジニアになるにあたって必要なスキルってなんだろう? スキルアップしていくうえで、フリーランスエンジニアとして重要なことってなにかな?本記事を読んでいる方の多くは、これからフリーランスエン[…]
上記の記事でも触れていますが、収入を安定させるためのスキルアップは不可欠です。
必要なスキルが備わっているからと言って安心するのではなく、自己研鑽していくことがフリーランスだとより重要となってきます。
フリーランスエンジニアのメリットとデメリット
会社員よりフリーランスの方が年収が高くなりやすいのが上記で分かったかと思いますが、それ以外のメリットとデメリットはどうでしょうか?
フリーランスエンジニアのメリットとデメリットについて、以下の記事で解説をしています。
フリーランスエンジニアになるメリットとデメリットってどんな点があるだろう? やっぱりフリーランスエンジニアになるのって大変なのかな?これからフリーランスエンジニアになることを検討されている方は、どんなメリットデ[…]
注意すべきは、契約形態や働き方によってメリット・デメリットが変わってくる点です。
しっかり確認しないと、想定していたフリーランスの理想と違うことが起こりえます。
「フリーランスエンジニアになる目的は何か?」をしっかりと見つめ、本当に目的が実現可能か確認しておくことが大事です。
注意!エンジニア未経験からのフリーランスは厳しい
本記事の冒頭でも書いた通り、フリーランスの人口は増えています。
それに伴い、エンジニア未経験でいきなりフリーランスエンジニアを目指す方や、「フリーランスになるためにプログラミングを学ぼう!」と謳うプログラミングスクールも台頭してきています。
すべてを否定するわけではありませんが、エンジニア未経験でいきなりフリーランスになるのは厳しいです。
その理由として、以下の点が挙げられます。
- 過去の実績ありきで案件が獲得できるかが大きく変わる
- 仮に未経験OKな案件があったとしても、「単価が低い」or「スキルが不要な仕事を任される」可能性が高い
- 収入が安定しづらくてメンタルがやられてしまうこともある
- 不慣れなエンジニアの仕事×不慣れなフリーランスで非常に大変
そのため、フリーランスになる前にしっかりと実務経験を積むことが大事です。
タイミングとしてよいのは20代後半~
フリーランスエンジニアになるなら、一つのスキルに対する実務経験が少なくとも3年以上あるのが望ましいです。
詳細は以下の記事にて解説をしていますが、3年の実務経験があると受注できる案件の数が増えます。
フリーランスエンジニアになるにはどれくらいの経験が必要だろう? 実務未経験でフリーランスエンジニアになるのは無謀かな?これからフリーランスエンジニアを目指す方は、どれくらいの実務経験が必要か気になりますよね。[…]
また、3年あればエンジニアとして働くことにも慣れるでしょう。
そのため、フリーランスエンジニアになるタイミングとしてよいのは20代後半以降であるということが言えます。
実務経験1年の20代前半でもフリーランスエンジニアになることは可能ですが、次に挙げる点も考慮の上でお決めいただくのがよいかと思います。
初めてフリーランスエンジニアになるまでにやるべきこと
初めてフリーランスエンジニアになるまで、会社員時代にやっておくべきことが4つあります。
- 実務経験を積み、ポートフォリオを充実させる
- キャッシュフロー管理をしておく
- できれば貯金をしておく
- 審査が必要なものは審査を通しておく
一つひとつ見ていきましょう。
実務経験を積み、ポートフォリオを充実させる
ひとつ目は、上記でも挙げた実務経験をしっかり積むことです。
案件を受注する際、仕事を依頼する側は以下の点をよく見ます。
- 依頼したい仕事を遂行できるような経験が過去あるか
- 一人称でしっかりと仕事を遂行できるか
- コミュニケーションスキルなど人柄は問題がないか
一例なので、上記以外にも見られる点はあります。
しかし、決して揺るがないのが一つ目に挙げている過去の経験です。
フリーランス向けの案件情報を見ても、以下のように必須条件として設けられていることがほとんどです。
- 例1. 大手ECサイト大型改修
- 仕事内容:一次受けとして、直接クライアントの要件ヒアリングを行い、業務レベルの設計から、開発テスト、運用まで一貫して対応
- 求められるスキル:
- Java(Webシステム開発経験3年以上)
- Spring Frameworkでの開発経験
- 例2.クレジットカードの基幹システムの保守
- 仕事内容:
- 基幹システムの保守及び改修案件の要件定義
- システム部の立場でユーザと仕様調整やシステム部メンバーのサポート
- 求められるスキル:
- 要件定義経験
- ユーザとの仕様調整経験
- 仕事内容:
そして、クライアントとの面談の際は具体的にどのような業務を行ってきたかを聞かれるので、しっかり説明できることも大事となります。
また、Webサイト制作やWebアプリケーション開発の仕事の場合、実際過去にどんなものを作ったか見せてほしいと言われることもあります。
NDAの関係で公開できないものもあるかと思いますが、自身のスキルの証明にも繋がるのでポートフォリオを準備しておくことをオススメします。
キャッシュフロー管理をしておく
フリーランスエンジニアというより、ビジネスパーソンとしてキャッシュフロー管理は不可欠です。
特にフリーランスにおいては、自分自身の出費が普段どれくらいなのかを把握しておくことが人生の分かれ道です。
というのも、会社員の場合は住民税や保険料など色々差し引かれて、手取り○○万円という形で毎月のお給料としてもらいます。
しかし、フリーランスの場合はクライアントからいただく報酬=手取りではありません。
クライアントからの報酬から、以下のような金額を差し引く必要があります。
- 国民健康保険
- 国民年金
- 住民税
- 交通費
要するに、額面だけ見て会社員よりフリーランスの方が高くても、手取りはフリーランスの方が低いこともあります。
できれば貯金をしておく
キャッシュフロー管理に付随して、できればフリーランスになる前にある程度の貯金があるといいです。
特に、ご自身で営業活動をする場合、仕事が安定せず収入も安定しないことはよくあるケースです。
なので、仮に収入がなくても半年くらいは生きていけるくらいの貯金があると安心といえます。
収入が安定せず貯金もない状態だと、メンタル的に結構大変です。
- せっかく目標だったフリーランスになれたのにすぐ会社員へ戻る
- 望まない仕事や単価の仕事を受けざるを得なくなる
といったことにもなりかねません。
しっかり先を見据えて貯金をしておくようにしましょう。
審査が必要なものは審査を通しておく
フリーランスになるデメリットのひとつとして、会社員より社会的信用が低くなりがちな点があります。
そのため、審査が必要な以下のようなものは、事前に審査を通しておくことがオススメです。
- 住宅や自動車などのローン
- 賃貸物件の契約
タイミングもあると思うので、できればやっておいた方がいいというお話です。
フリーランスエンジニアになるためのステップ
フリーランスエンジニアになるには以下の5ステップです。
- 案件を獲得する
- 開業届と青色申告承認申請書を提出する
- 国民健康保険と国民年金の手続きを行う
- 事業用口座・クレジットカードを作る
- 帳簿作成の準備 or 税理士へ依頼する
フリーランスとしての仕事をはじめるまでにすべてできるのがベストですが、ステップ2~5は仕事と並行して行うのでも問題ありません。
ステップ1.案件を獲得する
まず、フリーランスエンジニアになるにあたって、案件の獲得は必須です。
たまに案件を獲得できずに会社を辞めてしまう方もいますが、よっぽど貯金があるか案件を獲得できる確証がある以外はオススメしません。
フリーランスエンジニアとして案件を獲得するには、以下のような方法が代表的です。
- 企業へ直接営業する
- クラウドソーシングを使用する
- SNSやブログを通じて仕事をもらう
- 知人や同業者から仕事をもらう
- エージェントを使用する
それぞれ一長一短ありますが、直接営業などでクライアントと契約を交わす際は、契約内容をしっかりと確認するようにしましょう。
仕事をはじめる前に契約をしっかり交わしておくことで、後々変なトラブルに巻き込まれるのを防ぐことが可能です。
特に以下の点を確認することをオススメします。
- 契約形態はなにか
・・・委任契約(労働力を対価とした契約) or 請負契約(成果物を対価とした契約)
※2021年3月の法律改訂により、委任契約も成果に対する評価を認めることもあります。(参考:請負契約と準委任契約の違いとは) - 契約の金額はいくらか
・・・金額は税込か税抜なのか - 契約の期間はどれくらいか
- 契約を解消する際のルールはなにか
・・・○○日前までの申し出が必要など
元々の知り合いだからといっても、契約を曖昧にして仕事を進めることでトラブルが発生してしまうこともあります。
良い関係を続けていくためにも、契約はしっかりとするようにしましょう。
なお、契約面含め面倒なことはやりたくない方、以下に該当する方はエージェントを利用するのがオススメです。
- 営業など自分で案件を獲得する自信がない
- 仕事と収入を安定させたい
- 個人で受注できない大企業や大きなプロジェクトに参画したい
- 契約周りのやり取りや請求書作成などの事務作業をやりたくない
本ブログを運営するフリコンも、あなたの案件獲得から契約周りの手続き・キャリア相談まで無料でサポートいたします。
はじめてのフリーランスで不安という方は、ぜひ一度ご相談ください。
ステップ2.開業届と青色申告承認申請書を提出する
フリーランスになったら、税務署に提出すべきものがあります。
必須で提出すべきは開業届、節税をしたい方は青色申告承認申請書です。
以下、国税庁のページに詳細は書かれていますし、届出書のフォーマットや書き方も載っています。
開業届を記入される際に、屋号をどうしようか迷う方もいるかと思います。
つけなくても問題ありませんが、屋号をつける場合は以下の点を考慮してつけるようにしましょう。
- 読みやすいものにすること
- 商標権などを侵害しないように気をつける
- 業種に関連する単語だとわかりやすくてよい
- ポートフォリオサイトを作成する場合はドメインが取得できること
なお、既に副業などをされていて、開業届や青色申告承認申請書を提出済みの方は不要です。
ステップ3.国民健康保険と国民年金の手続きを行う
会社員であれば、基本的に社会保険・厚生年金に加入しているので、会社が手続きなどをしてくれています。
給料も保険料の差し引かれた額が支払われます。
しかし、フリーランスの場合は原則的に社会保険と厚生年金を継続できません。
そのため、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。
いずれも住所地の市区役所・町村役場での手続きとなりますが、以下のものが必要となります。
- 今まで加入していた健康保険の資格喪失証明書
- 身元を確認できる書類
- マイナンバーを確認できる書類
- 年金手帳 or 基礎年金番号通知書
※退職の翌日から14日以内に加入する必要がある
詳しくは、国民健康保険は各自治体のホームページ、国民年金は日本年金機構のホームページをご確認ください。
ステップ4.事業用口座・クレジットカードを作る
今まで会社員のみの経験しかない方のほとんどは、仕事用とプライベート用の口座とクレジットカードは混同されているかと思います。
しかし、フリーランスの場合は仕事とプライベートで分けるのがオススメです。
特に上記で少し触れた確定申告を青色申告する場合、仕事とプライベート用で分けるのが必須といえます。
口座作成もクレジットカード作成も審査に時間がかかるので、早めに作成の手続きをするようにしましょう。
ステップ5.帳簿作成の準備 or 税理士へ依頼する
最後に、帳簿作成の準備をするか、税理士さんへキャッシュフロー周りの管理の依頼をしましょう。
ご自身でキャッシュフローを管理し確定申告を行う場合は、以下のような会計ソフトを契約するのがオススメです。
日々の仕分けをしっかり入力し、確定申告の時期である2月16日~3月15日の間に申告する必要があります。
申告せずに所得税の納税も怠ると、脱税で罰金や懲役に課せられるので必ず行うようにしましょう。
なお、ご自身でやるのが面倒・プロに任せたい場合は税理士さんへお願いするのがいいです。
税理士さんへお願いすることで、経費にできるものとできないものをしっかり区別し、節税のためのアドバイスも受けることができます。
個人の税理士さんであれば、月々1万円程度で行ってくれる方もいるので、信頼できる税理士さんを探すようにしましょう。
税金に関する日々の雑務から解放されただけでなく、効果的な節税方法を教えてもらえて今ではだいぶ節税できています。
フリーランスエンジニアの案件獲得方法で効率的なのはエージェントの活用
今回は、フリーランスエンジニアになる方法について詳しく解説をしてきました。
途中で解説をした通り、初めてフリーランスになる方にオススメなのはエージェントを活用することです。
エージェントを活用することで、以下のようなメリットがあります。
- 代わりに案件の獲得をしてくれる
- 仕事と収入が安定しやすくなる
- 契約・請求周りの手続きを代行してもらえる
- キャリアプランやライフプランの相談に乗ってもらえる
- フリーランス生活の悩みや疑問に答えてもらえる
フリコンは、案件獲得から案件参画後のアフターフォローまで、あなた専属のコンシェルジュがしっかりサポートします。
エンジニアとして3年以上の実務経験がある方はもちろんのこと、実務経験が少ない方へも案件のご紹介が可能です。
リモート案件やクライアント直接契約のプライム案件など、様々な案件がありますのでフリーランスエンジニアとしてスタートを切ろうと考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。