- これからフリーランスエンジニアになるにあたって必要なスキルってなんだろう?
- スキルアップしていくうえで、フリーランスエンジニアとして重要なことってなにかな?
本記事を読んでいる方の多くは、これからフリーランスエンジニアになろうと検討されているかと思います。
その中で気になるひとつの要素が「どんなスキルを身につけておくべきか?」という点ではないでしょうか?
フリーランスエンジニアは会社員より稼ぎやすい一方、スキルを持っていないことで以下のようなデメリットがあります。
- 案件を継続的に受注できずに収入が安定しない
- 低単価の案件しか受注できずにフリーランスエンジニアとしてのうまみが少ない
おそらく上記のような状況に陥るのであれば、フリーランスエンジニアにならないことを選択する方も多いかと思います。
そこで本記事では、以下のテーマに解説をしていきます。
- フリーランスエンジニアとして基盤となるスキル
- 高単価案件を受注するために必要なスキル
フリーランスエンジニアとしての必要なスキルが気になる方は、ぜひ最後までしっかりチェックしてみてください。
僕自身、フリーランスエンジニアとしてスキルの積み上げ方がよかった時期も悪かった時期もありました。
なので、酸いも甘いも知っている経験から、これからフリーランスエンジニアを目指す方、今後のスキル形成をどうするか迷っている方の参考になればと思っています。
先に結論として、フリーランスエンジニアとして必要なスキル・マインドセットは以下の7つです。
- 案件に必要なテクニカルスキル
- 円滑に仕事を進めるためのコミュニケーションスキル
- セルフマネジメントスキル
- 税務などの会計知識
- 契約面に関する知識
- スキルアップのための学習
- 営業力
前半3つが不可欠なスキル、残りの4つは見落としがちなもののしっかり身につけておきたいスキル・マインドセットです。
それでは、前置きは以上にして一つひとつ見ていきましょう。
フリーランスエンジニアに不可欠な3つのスキル
まずは、フリーランスエンジニアに不可欠なスキルとして以下3つを見ていきます。
- 案件に必要なテクニカルスキル
- 円滑に仕事を進めるためのコミュニケーションスキル
- セルフマネジメントスキル
案件に必要なテクニカルスキル
当然ながら、各案件で必要なスキルは異なります。
なので、案件に合わせた必要なテクニカルスキルが必要です。
なお、各スキルほんの少しかじっただけでなく、基本は3年以上の実務経験がはあった方がいいです。
なぜ3年なのか?詳細は以下の記事にて解説をしています。
フリーランスエンジニアになるにはどれくらいの経験が必要だろう? 実務未経験でフリーランスエンジニアになるのは無謀かな?これからフリーランスエンジニアを目指す方は、どれくらいの実務経験が必要か気になりますよね。[…]
具体的に各案件でどのようなスキルが必要とされるかについては、実際の案件を例にしながら紹介していきます。
円滑に仕事を進めるためのコミュニケーションスキル
続いての必要なスキルは、コミュニケーションスキルです。
エンジニアとして仕事をしていくうえで、最低限以下のような方とのコミュニケーションが必要となります。
- クライアント
- チームメンバー
- 協業パートナー
仕事の仕方によっては、さらに関係者が増えることもあります。
その中で、円滑にコミュニケーションを取れるかどうかは仕事を進める上で非常に重要です。
ひとつ目に挙げたテクニカルスキルも案件に参画するうえで重要ですが、どちらかというとコミュニケーションスキルの方が大事という考えもあります。
なぜなら、どんな仕事であれ人間関係で良くも悪くもなるからです。
例として以下のような2者がいる場合、円滑に仕事を進められるのはどちらでしょうか?
- Aさん
- テクニカルスキル:8点 / 10点満点
- コミュニケーションスキル:2点 / 10点満点
- Bさん
- テクニカルスキル:4点 / 10点満点
- コミュニケーションスキル:8点 / 10点満点
話の流れからわかるかと思いますが、後者のBさんの方が円滑な仕事ができます。
なので、技術面だけを追いかけて人間関係から目を逸らすのはNGです。
セルフマネジメントスキル
フリーランスとして生きていくうえで、セルフマネジメントも大事です。
セルフマネジメントとは、とくに以下のようなものを指します。
- スケジュール管理
- 各タスクをさばいていく段取り
- 自分のキャリアを考えた参画する案件の選択
会社員でも大事ですが、よりフリーランスだと求められる力です。
すぐに身につけられるものではないので、仕事を進めていく中でしっかりと身につけていくことをオススメします。
それでは次に、一つ目のテクニカルスキルをもう少し深堀りして、実際の案件でどのようなスキルが必要になるのかを見ていきましょう。
実際のフリーランスエンジニア案件の必要なスキル例
「フリーランスエンジニア」といってもさまざまな仕事があるので、細かい職種で区切りながらフリコンで実際に所有している案件をもとに紹介をしていきます。
プログラマーの案件例
案件内容 | 必要スキル | 単価(月当たり) |
ゲームプログラマ募集 – 新規コンシューマー向けタイトルの開発 |
| 50-60万円 |
ゲーム開発 – スマートフォンアプリゲーム開発におけるクライアントプログラマー |
| 60-75万円 |
ネイティブアプリ開発 – すでに日本でリリース済のスマホ向けゲームの中国向けの企画から開発・運用まで (中国後の読み書きのスキルは不要) |
| 50-60万円 |
Webエンジニアの案件例
案件内容 | 必要スキル | 単価(月当たり) |
某通信系会社開発上流支援 – ネット通販系企業倉庫向けの、出荷オーダーを取りまとめるシステムの機能追加・改修に付随して将来的にAPI連携を想定。 それに向けた要件定義やエンドからの依頼の整理。 |
| 65-75万円 |
Vue.jsによるフロントエンド開発 – 開発からテストの実施、ドキュメントの作成まで |
| 90-100万円 |
ECサイト刷新開発 – プロジェクトチームに所属しスクラム開発でのサーバーサイド開発業務 |
| 80-90万円 |
CakePHPでのWebシステム改修 – 既存システムの改修や機能追加に伴う基本設計~テストまでを対応 |
| 50-60万円 |
インフラエンジニアの案件例
案件内容 | 必要スキル | 単価(月当たり) |
Webサービス会社のインフラ構築・運用業務 – 人材系Webサービスを扱う企業様にて、SREチームに参画。 メンバーとしてLinux/AWSの構築・運用等。 |
| 80-90万円 |
インフラ運用保守 – 主な作業は、テスト実施(環境構築含む)・進捗/課題管理・日次ログ確認・トラブル対応(一次受け・調査・対応)など。 |
| 60-70万円 |
放送局インフラ構築 |
| 50-60万円 |
金融業向け情報系基盤運用 – 主にインフラ(HW / OS / MW)レイヤの運用基盤整備および実運用・定常運用業務・非定常運用業務・運用ドキュメント整備・基盤環境構築など |
| 60-80万円 |
インフラ構築/テスト(金融系) – インフラテスト計画、設計、テスト業務全般(結合・総合・運用テスト)・インフラリーダー業務(WBS管理等)、ライブラリ管理(業務側)のレビュー |
| 50-70万円 |
サーバーエンジニアの案件例
案件内容 | 必要スキル | 単価(月当たり) |
官公庁向けオンプレミス基盤更改(OS・MW担当募集) – 対象機器は、OS・MW担当:HP-UX、RHEL、JP1、TPBroker 他 |
| 60-75万円 |
サーバー保守 – サーバー周りの運用がメインとなり、案件が入れば構築業務も。 メインは、LinuxやOffice365の運用、管理、不具合調査、問い合わせ対応など。 |
| 45-55万円 |
システム基盤更改に伴うサーバー構築 – 情報システム会社システム基盤更改に伴うサーバー構築を主に担当。(工程:構築、テスト) |
| 50-65万円 |
ネットワークエンジニアの案件例
案件内容 | 必要スキル | 単価(月当たり) |
クラウド更改(NW) – オンプレとクラウドの両環境をつなぐWAN側回線、およびオンプレ内のNW環境の設計構築作業支援 |
| 50-60万円 |
APIManagerのDeveloperPortal構築 – 開発工程(基本設計、詳細設計、開発サポート、結合試験、総合試験)を担当。 |
| 55-70万円 |
ネットワーク関連支援業務 – 自動運転技術開発会社における、ネットワーク関連全般の支援業務(要件定義、設計、構築、保守)。 |
| 60-70万円 |
5つの職種について見てきましたが、あなたの職種に当てはまるものがない方もいらっしゃるかと思います。
もしあなたに合致する案件があるかを確認したい場合は、お気軽にご相談いただければと思います。
フリーランスエンジニアがプラス@で必要なスキルとマインドセット
ここまでフリーランスエンジニアに必須なスキルを3つ見てきました。
冒頭でお伝えした通り、フリーランスエンジニアに必要なスキルは7つあります。
なので、ここでは残りの4つについて見ていきます。
税務などの会計知識
フリーランスになると避けて通れないのが「確定申告」です。
会社員の方でも中には副業をされていて、既に確定申告をされている方もいるかと思います。
しかし、フリーランスは例外なく確定申告する必要があります。
そのため、基本的な会計の知識はあった方がいいです。
正直オススメなのは、会計周りは税理士さんにお願いすることです。
ですが、それでも知識があるのとないのでは税理士さんとの会話も難しくなってしまいます。
会社員のうちからキャッシュフローをしっかりと管理し、知識を蓄えておくのがオススメです。
契約面に関する知識
フリーランスとして仕事をする際、クライアントとの間に契約が発生します。
会社員の方であっても、努める会社と雇用契約を結んでいますよね。
契約は主に以下の2つに分かれます。
- (準)委任契約・・・依頼された作業を遂行することが求められる契約形態
- 請負契約・・・依頼されたものを完成させることにより報酬が払われる契約形態
まず、どちらの契約形態での仕事なのかを把握することが大事です。
ほとんどありませんが、前者の委任契約だと思っていたら実際は請負契約で、作業をしたのに報酬が払われる条件を満たさないこともありえますからね。
さらに、契約の際は「業務委託契約書」など書面で契約書を残す形になるので、書かれている内容を十分把握する力も大事です。
不明点があれば先方に確認するのもいいですが、確認せずに理解できるようになるのが一番ですね。
しかし、クライアントと直接やり取りする場合はご自身で契約周りをやる必要があるので、滞りなくしっかりできるようにしましょう。
契約周りをしっかりしないと後からもめることもありますので…。
スキルアップのための学習
フリーランスエンジニアを目指す一部の方は、フリーランスエンジニアになることをゴールに考えているかもしれません。
しかし、あくまでフリーランスエンジニアになるのは、ご自身の目的を達成するための通過点にしかすぎません。
あなたがフリーランスエンジニアになる一番の目的は何でしょうか?
もし、それで満足してしまい自己研鑽を怠ってしまうと将来的に月単価は下がってしまいます。
フリーランスの人口は年々増えているので、もし成長しなかったら他のフリーランスに同じくらいのスキルレベルに追いつかれることもあるためです。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
なので、しっかりと目的を明確にして、そのために身につけるべきスキルは何なのかを突き詰めてことが大事といえます。
営業力
最後に身につけるべきスキルは営業力です。
フリーランスとして生きていくうえで、案件を継続的に受注できるかは大きなカギといえます。
・・・とはいえ、営業経験のない方がいきなり営業といわれても難しいですよね。
そんなときに強い味方となるのがフリコンのようなエージェントです。
営業するのが不安という方は、お気軽にご相談ください。
フリーランスになりたての時はフリーランスとしてのライフスタイルを確立する方に集中し、営業は専門家に任せてしまった方が効率いいです。
以上、フリーランスエンジニアに必要なスキル7つを見てきました。
途中でも書いた通り、フリーランスエンジニアになることがゴールではありません。
より高単価を目指すためには、別で身につけるべきスキルがあるので、最後にその解説をしていきます。
高単価案件を獲得するために身につけるべきスキル
高単価の案件を獲得するために身につけるべきスキルは大きく3つあります。
- プロジェクトマネジメントスキル
- ディレクションスキル
- 希少価値が高いスキル
1もしくは2と3を掛け合わせることができれば理想ですが、既に挙げたテクニカルスキルと合わせて1・2いずれかのスキルが身につけられると市場価値が上がります。
それでは、それぞれどういうものか見ていきましょう。
プロジェクトマネジメントスキル
まずは、プロジェクトマネジメントスキルです。
その名の通り、プロジェクトをまとめて円滑に遂行していく力のことをいいます。
プロジェクトマネージャーとしての経験があると、以下のような案件に参画できるようになります。
案件内容 | 必要スキル | 単価(月当たり) |
外部接続系システム(バッチ含)PM – PMとして外部接続系システムにおいて要求、要件取りまとめ。 |
| 95-115万円 |
Webメディアシステム新規開発 – 新規Webシステム開発案件のチームに参画。シニアPMのポジションであり、実際に手を動かすことはないものの、コードレビューはあり。 |
| 75-85万円 |
小売店グループ会社でのシステム運用部隊立ち上げ |
| 90-100万円 |
案件にもよりますが、月単価100万を超えるような案件も少なくありません。
年収にすると1000万円プレイヤーも夢ではないので、安定的に稼ぎたい方にオススメです。
ディレクションスキル
プロジェクトマネジメントに似ていますが、ふたつ目はディレクションスキルです。
ディレクションを行うディレクターは、プロジェクトマネージャーとエンジニア・デザイナーなど実務を行う方の間に立ちます。
そして、プロジェクトが円滑に進むように調整する役割です。
わかりやすくWebサイトの開発を例に挙げると、以下のようなイメージです。
- プロジェクトマネージャー:クライアントとの折衝で要件を固め、プロジェクトの全体的なスケジュールを策定・管理
- ディレクター:確定した要件をもとに、手を動かすエンジニア・デザイナーへ作業指示や調整
- エンジニア・デザイナー:ディレクターの指示のもと、Webサイトのデザイン・開発
ある程度手を動かした経験がある方で、全体像を見ながら指示を出せる方が向いています。
希少価値が高いスキル
最後は、テクニカルスキルの中で希少価値の高いスキルを身につけることです。
RubyやPHP・Javaなどはメジャーなスキルなので、できる方はたくさんいます。
しかし、SAPや最近流行りのGo言語などを扱えるエンジニアは少ないです。
扱える人が少ないと自然に単価は高くなります。
実際の案件の例としては、以下の通りです。
案件内容 | 必要スキル | 単価(月当たり) |
SAP導入コンサル – 大手製造業(大手工作機械メーカー)の国内SAP導入。 海外側で先行してSAP導入を進めており、当該SAPの検討お仕事内容をベースに日本側で追加含め検討し日本展開する。 |
| 80-100万円 |
SAP BPRプロジェクト – メディア業界大手のBPRプロジェクト。 BPRおよび業務標準化による新業務策定後、ERPパッケージシステム導入に推移。 |
| 100-110万円 |
マーケティングシステムの開発 – 各種Webサービスのデータを横断的に活用するマーケティングシステムの顧客管理にかかわる共通機能の開発。 プロダクトの開発からリリース後の運用も併せて担当し、ユーザーからのフィードバックから継続的な機能改修の実施。 |
| 90-100万円 |
電子カルテWebシステム開発(アジャイル) – 診断内容、入院に関する別途情報、食事内容などを管理するシステム。 |
| 75-85万円 |
あくまで、目的ややりたいことに合っている場合に限ります。
もし目的に合わないのであれば、目的に合ったスキルの延長でプロジェクトマネージャーやディレクターを目指した方がいいでしょう。
おそらくそのまま頑張っていれば月収100万くらいいっていたと思いますが、目的に合わなかったので紆余曲折ありながらキャリアチェンジしました。
収入を求めたスキルを習得するだけでなく、目的に合ったスキルであることが大事ですね。
まとめ
今回はフリーランスエンジニアに必要なスキルについて解説をしてきました。
おさらいすると必要なスキルは以下の7つです。
- 案件に必要なテクニカルスキル
- 円滑に仕事を進めるためのコミュニケーションスキル
- セルフマネジメントスキル
- 税務などの会計知識
- 契約面に関する知識
- スキルアップのための学習
- 営業力
上記すべてあることに越したことはないですが、フリーランスになってから身につけるのでも問題ありません。
とくにテクニカルスキル以外について、実践を通じて学んでいくことも非常に多いです。
なので、まずはテクニカルスキルが案件にマッチするか確認するのが最優先といえます。
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